これまで使用していた撮影機材で、野鳥撮影に限ればそれほど大きな不満があるわけではありませんが、
レンズが旧型ということもあって、ある程度の距離を歩かなければならないときは、
機材の重さが負担に感じることが多くなりました。
レンズを最新のものに買い替えれば劇的に軽量化できますが、
高価なのでそう簡単に踏み切ることもできません。
レンズを軽量化できないということは、他に軽量化できる部分は足回りしかありませんが、
三脚に軽量なものを使うと重心も上がり不安定になるので、
安定性を損なわずに軽量化できるのは雲台しかありませんね。
昨年(2013年)、元々野鳥撮影用として購入したものではありませんでしたが、
遊び心で大型のボール雲台を試してみました。
重心が下がるためか、実際の重量差以上に軽くなった感じで、
軽量化という面では文句がないほどの効果を感じましたが、
撮影そのものは快適ではなく、野鳥撮影の目的で使うという面では大きな不満が残りました。
雲台そのものはとても優秀なので、おそらく300mm/F2.8クラスのレンズであれば不満は全く無かったかもしれません。
そんな中で最初に気になったのはこの雲台です。
自由雲台にアダプターを追加するだけで、横倒れ現象を防ぐことができ、
ジンバル系の雲台と違って、ビデオ雲台と同じような動きなので違和感もなさそうです。
通常のボール雲台としても使用できるので、これ一つで万能な雲台のように思えます。
マーキンスはボール雲台の評価も高いですが、
既に大型のボール雲台を所有していることもあり、
新たにボール雲台を購入する点には割高感を感じてしまいました。
そんな中でさらに探して気になったのがこの雲台です。
通常のビデオ雲台のカウンターバランスや、オイルフリュードの機能を省いたようなシンプルな構造で、
Benro B4やマーキンスQ20iQ単体よりも軽量というのは魅力的です。
日本では、まだ使用している人も少ないようで、
ネットで検索してもこの雲台を使っていると情報にはほとんど当たりませんでした。
見た目では固定力や耐久性などが本当に大丈夫かな?という不安感もありますが、
一応野鳥撮影を主目的に設計されていますし、600mm/F4レンズまで対応しているので、
現在のビデオ雲台のサブで使用するつもりで発注しました。
低温環境下で動きが硬くなる現象も起こらないと思われるので、この点にも期待しています。
2014/2/5に現物が到着しました(^▽^)/
第一印象は思ったより小さな雲台だな~でした。
大きさのバランスだけで考えると、三脚は3型がベストマッチかもしれません。
この雲台にはプレートは附属しません。
海外製の雲台にはプレートが付属しないものが多いので注意が必要です。
特にこの雲台は大型のレンズを載せることを前提としているので、当然と言えば当然ですね。
重さ(軽さ?)は当然ながらパーフェクトです!
5型の三脚だと、雲台を付け忘れているのでは?と思うほど・・・・
おそらくロクヨンが使用できる雲台としては最軽量だと思いますので、
これ以上望むものはありません。
心配していた固定力も問題ありません。
G1380の中途半端なロックより遥かにキッチリ止まります。
ただパン方向の剛性感は今一つかな?
パン方向を完全にロックして左右に動かすと、やや動きが大きいかなといった感じです。
クランプの向きを90度単位で変えられる構造になっているのですが、
個体差かもしれませんが、この部分の固定が少し甘いような気がします。
とはいうものの、実用上問題となるほどではありません。
全般的な動きに関しては、暫らく実戦を重ねて最終的な評価をしたいと思いますが、
パン方向のロックを緩めると一気に動きが軽くなるので、
微妙な緩め具合の設定が大きく使用感を左右する感じです。
またパン方向をロックするつまみは、緩めると軽い力で回転するので、
三脚を移動したりするだけでずれたりして、フリクションを常に一定に保つのは難しいです。
BNERO B4はロックを緩めてもパン方向の動きにある程度抵抗感があったのでこの点は少し残念です。
もう少し短いレンズ(焦点距離ではなく、物理的に)だと、軽い動きの方が扱いやすいかもしれません。
このあたりの動きの好みは個人差があるので、あくまでもアカショウビンの個人的な感想だと思ってください。
ロクヨンのような重量機材を扱う点においては、
総合的に考えると、ボール雲台よりは圧倒的に優れていると思います。
オイルフリュード雲台のようなヌメッとした動きではありませんし、
カウンターバランスも無いので感触がかなり違うことは間違いありません。
飛び物撮影に限定すれば、G1380のようなオイルフリュード雲台の方が
安定して追うことができますし、特にチルト角度が大きいほど使いにくく感じることはあります。
動画ならオイルフリュード必須だと思いますが、
慣れれば飛び物も大きな問題はなさそうな気がします。
実際に使ってみるまでは、撮影目的に応じて雲台を交換することも考えましたが、
当面はLong Lens Head をメインで使っていこうと思っています。
性格が大きく違う雲台だけに、両方を使い分けできるのであればそれが一番だと思います。
2014/10
かれこれ8か月使い続けていますが、今では私にとって無くてはならない雲台となっています。
何度か、定点で飛び物を狙いたいときにG1380に戻したこともありますが、
その後は、すぐにLong Lens Headに戻しました。
使い慣れるまである程度の時間は必要ですし、妥協が必要な部分もありますが、
軽さと、それによって得られる重心が下がる安定感というのは、
私にとって、ビデオ雲台とはまた違った使いやすさを与えてくれます。
ビデオ雲台とLong Lens Headにはプレートの互換性はありませんので、
共通化したほうが使い勝手は格段に向上します。
以下のレポートを参考にしてください。
ボール雲台も同じですが、摩擦によってフリクションをかけているだけに、
耐久性や経年変化は気になるところではあります。
2015/4
一年余りの使用で、パン方向のワッシャーのような部品が破損し故障しました。
強度的な問題がありますね。
三脚にカメラに着けたまま三脚部分だけを担いで移動するような方だと、
この部品が破損すれば、雲台が分離して脱落の危険性があるような構造でした(^^;
2017/1追記
耐荷重25Kgで安価なので試してみる価値があるかもと思っています
この雲台を使用したことにより、逆にマーキンスの雲台の使用感も気になるようになってしまいましたが、
とにかく軽量化を最優先したい目的には充分価値ある雲台だと思います。
傾斜地での撮影などを考えるとハーフボール,又はレベリングベースとの組み合わせた方が使い勝手は良いと思いますが、
剛性や軽量化の恩恵を最大限に受けるためにはトッププレートに直付けのほうが有利ですし、
脚の長さを一本調整するだけで左右の傾きは無くせるので、個人的には必要性は感じませんでした。
そもそも、雲台の傾きを調整したいケースでは、雲台の高さも適切ではなくなるので、
脚の長さを調整したくなりますし、そのほうが安定するので転倒などのリスクを避けることができます。
元々野鳥撮影で、シビアな水平合わせが必要になるようなケースはあまりないような気がします。
他の雲台との互換性などを考える必要がなければ100mmの方が安心感はあると思います。
(このレポートは、状況が変化すれば時々更新します)